幻の鳥・ケツァール見た!
奇跡が起きた。幻の鳥と言われるケツァールをなんと雄4匹と雌1匹見ることができたのだ。日本からも愛鳥家がこの青い色をした美しい鳥を一目見ようとコスタリカに訪れるそうだが、見れなくて帰って行く人も多いらしい。ケツァールは手塚治の「火の鳥」のモデルになっている事でも有名だ。おりの中にいれてしまったら死んでしまうらしく、動物園でも飼われてはいない。拝見することが難しいので幻の鳥なわけで、見た人は願いや恋が叶うとか言う噂もある。古代アステカ族やマヤ族は神の象徴として崇拝してきた。グアテマラの国鳥でもあり、通貨の単位にもなっている。
作り話のように物事は進んで行った。「えー?うそやろ?」と言うくらいに。人のつながりと運命は、この旅ですでに何度感じたことだろう。
滞在先のリリアナさんにケツァールを見てみたいと言ったら、お兄さんがたまたま生物学を選考している大学院生で専門は野鳥の保護だと知った。そして、ほとんどの確率で見る事が出来る秘密の場所に連れて行ってくれることになったのだ。ガイドブックなんかには載っていない場所だ。

早朝4時に起きたら、外は大雨。凄い音で目が覚めたくらいだ。心配になってお兄さんに訊いたら、あっさりとちょっと離れているところだから行ってみないとわかんないよと言われた。4時半に出発し、約2時間で到着したのは山の奥にあるロッジだった。その名も「Pardiso del Quetzal」ケツァールの楽園。

雨が心配だったが小降りになり、そして雨もやんで少し青空を垣間みれるぐらいになってきた。僕ら以外にお客のいないロッジに寄ると、すぐにそこのおじさんが連れて行ってくれることになった。双眼鏡と望遠鏡はお兄さんが準備していてくれた。さすがに専門家だけはある。ぐちょぐちょの山道を歩いて登って20分程で、まずは雌をスポットしてくれた。どうやって肉眼で?と思いながら驚いている暇もなく、直ぐに望遠鏡をセットしてくれた。雌はしっぽ短く、雄よりもカラフルではないが、その美しさに感激した。おじさんが鳥の真似声を出しながら歩いて行って、次々に今度は雄をスポットしてくれた。光の加減で色が少し違って見えたり、しっぽの長さが違ったりしていた。望遠鏡のレンズとデジカメのレンズを合わせて写真まで撮ることが出来た。靴と靴下がびちょびちょに濡れて冷たいのなんか気にせずに、幻の鳥にうっとりするほど見とれていた。

ロッジに戻り、やっと朝食にありつけた。コーヒーとガチャピンチョ(ライスとビーンズの郷土料理)が最高に美味しかった。車で二時間でサンノゼまで戻って来た。
オスカーと待ち合わせをし、今日の孤児のセッションのプランを話し合った。二人で色んなアイデアを話し合いながらプランをたてるのは楽しかった。ランチをしながらも話しを続けた後に、ロクサナさんと3人で出掛けた。
今日集まった孤児は6人と少なめだったが、最初の一時間は集中していてとてもスムーズに進んでいた。協調性を学ぶ意図のゲームを素直にやってくれた。休憩の時にお菓子とジュースをあげるのだが、その後が大変だった。集中力が突然なくなってしまい、コントロールを失いはじめた。最後はあまり上手くしめることが出来ずに終了。一応記念写真だけ撮った。個人写真も撮ってみて、モデルのようなポーズをとるこの子供達が可愛かった。きっともう二度と会う事はないのだろうけど...

家に戻り、「ベロニカは死ぬ事にした」を読み始めた。
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