劇「Mother Courage and Her Children」


1920年代から1950年代に活躍したドイツの劇作家ブレヒト作「Mother Courage and Her Children」(肝っ玉お母さんとその子供達)の2週間公演が大学で終わった。僕がセーラムで最後に関わることになった劇だ。学生達はみんな頑張ってくれた。

ブレヒトは戦争時代にユダヤ人の妻を持っていたのでドイツから色んな国で亡命生活をおくった人だ。この劇は彼が戦後に書いた作品で、戦争の意味の無さをテーマで語っている。内容的には肝っ玉のすわったお母さんがワゴンを引きながら物を売ったりして、子供3人に死なれても戦争時代を生き抜いてい行く様子を描いている。

ブレヒトは劇を見ているという事実を見ている間忘れては駄目だというセオリーを持った人だ。観客は距離を置いてその物事自体に感情移入をするべきで、登場人物に同情するべきでは無いらしい。確かに見ていてもその世界に入って行きにくいように劇が作られている。映画や普通の劇を見る感じに、登場人物にかわいそうだと不思議に思えないのだ。ミュージカルでは無いが歌が時々入る。その歌もあんまり心に残らない歌でなんとなく重要な歌詞も聞き流ししてしまう。

今までブレヒトの戯曲は読んだことしか無かったので、関わる事と見る事でブレヒトについての勉強にはなった。大学で劇をやる意味は教育がもともとの目的なので、学生やお客さん達にも劇自体は好きでは無かった人が多かったらしいが、きっと良い経験になったはずだ。

でも、やっぱりブレヒトの劇は納得がいかない。

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