遅れまして... ヌチヌクスージ

「ヌチヌクスージ、Celebration of Life...」 ふとした時にまたこの歌を口ずさんでいた。

そう言えば、ミュージカル「命のまつり」についてあんまり書いてなかった。あれから2ヶ月...あの時、あの場所で得た感動は今思い出しても涙がでそうになる。

演出側の方が余計に緊張してしまう時がある。本番前、子供達を信じていてもやはり上手くやって欲しいから心配で廊下を行ったり来たり。バックステージに行って「頑張って」と最後に言ってくる。本番が始まるので急いで表の階段をあがっていくと、おふくろが来ているのに気付いて、隣に座ることにした。おふくろとの会話が下手な上に緊張している僕はとりあえず、「来てくれて、ありがとう」と言った。

本番が始まってしまったら僕の仕事は終わりで、後はエンジョイしながら見るしかない。上手く行っていて、安心感がだんだんとリリースされて行く。「ご先祖さま数え歌」が終わったくらいから涙が出始めて、最後のメインテーマソングまで止まらない。ここに集まっている人達がつながって見えた。素敵な空間と瞬間の中で、僕が演劇にのめり込んだ原点、人が人にこの芸術を通して伝えることが出来る情熱や夢や感動に浸っていた。今まであんまり恩返しが出来なかった自分でも、地元で地元の人達と一緒にその人達のために演劇が出来たことを誇らしく思った。素晴らしい子供達のパフォーマンスも誇りに思えた。こんな機会を与えてくれた恩師と関わっているスタッフに心から感謝した。

本番後、花束贈呈があることがアナウンスされる。名前が呼ばれるのが怖かった。たくさんの人前で、おふくろの前で涙を止めることが出来ないか自分がいたからだ。決して恥ずかしい涙では無いが、本当に泣き虫な僕はコントロールができない。当然、マイクをふられる。何を言っていいいかわからない。そんな準備して無かった。正直に一言しか言えなかったことはメインテーマの最後の歌詞「命をありがとう」だった。

本当に生きていて良かったと思うとっても幸せな一日だった。

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