Last Day of Classes

いつまでも、名残惜しく思ってしまうのはやっぱり仕方がない。今日はセーラム州立大学で最後の授業の日だった。僕はもう多分二度とこの場所で演技のクラスを教えることは無いだろう。

期末試験はやらないので、最後のプレゼンテーションとして学生達はMonologue(モノローグ)と言う物を演じる。これはある劇の中から独りで一分ぐらいの台詞を言っているシーンを演じることだ。演技をしている相手は居なくても、居るふりをして、演技をする。オーディションでは必ずモノローグが必要で、まずはそれで演技ができるかどうかを審査するものだ。

学期の最初と比べると、進歩をしている学生が微笑ましい。伸びの差はあっても、それぞれ演技が上手くなったのを実感できるのは嬉しいものだ。得にこの学期は個人的に大変なことが多くて、精神不安定だった分、結果的にどうなるか正直言って心配だった。「学ぶ事ができた。ありがとう。」等と言ってくれる学生達。僕は多分たいしたことは出来なかっただろうに...学生達は素直で優しすぎる。

そこで、ちょっとびっくりした事をある学生に言われた。

隠せることが出来たなんては思っていなかったけど、今学期は僕の変化があった事を言われた。そして、人間的に心がもっとオープンしていたと言われたのだ。そのコメントに学生達はうなずくが、僕はびっくりした。そう言う見方もあったのだと。辛いことがあり自分の弱さを確かめられた分、人に対してもっと本当に優しくなれたのかも知れない。ある意味でもっと自分は人間的なれたのだろう。

今学期の最後の日に教えるより、学生に教えられた気がした。助教授としての最後の日に、教室という場所は学ぶという事を先生と学生が一緒にやる場所だという事に気付き、こんな仕事をしている自分は幸運で、みんなに感謝しながら、いつまでも僕は先生であり続けたいと思った。

ここに居る人達にありがとうって言っても言い切れない。まだ今は、さよならなんて言えない。

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