佐賀

今まではアメリカに帰ることが楽しみで仕方がなかった。日本から帰る時は大体、これからやることで頭がいっぱいになる。だが、今回は長く佐賀に居た分、考えさせられることがいっぱいあり、周りの人達に影響を受けたり学んだりする事がたくさんあった。まだ僕にはアメリカでやることがいっぱいあるのが現実だ。どれだけ、これを片付けて、いつ日本に帰ってこれるのだろう？初めて、日本でまた暮らしていいかなって思った。

日本が佐賀が嫌いだったわけではない。そこで育った僕は世界を見て歩きたかった。経験したかった。今まで、佐賀で自分の本当にやりたいことに出会えなかった。だから帰る理由も個人的にはなかったのだろう。今回長い期間で佐賀に帰ってから、ここにも僕のできることがあるかも知れないと思った。可能性を感じた。

この14年間、僕は演劇をやってきて、それで今は演劇に毎日携わることができる夢のような仕事についている。もし、僕がこれをやめて、アメリカを去って行くとしたら、人はもったいないというだろう。それでも価値があるものがあるということを最近知った。皮肉にも演劇がそれを僕に教えてくれた。ミュージカル「命の祭り」が僕に教えてくれた。命のつながり。人間としての役目。仕事とかお金とかではなかった。それよりも大事なこと。家族との幸せ。家族を持つこと。新しい命を作ること。伝えていくこと。