帰国して８年が経った今

2008年の7月に帰国した日本はとにかく暑かった。まとわりつく湿気と額から流れ落ちる汗。夏の空は青くて、でっかい雲が浮かんでいた。ここがこれから自分が戦う土俵だと心に決めた瞬間だった。いや…、やっと歩む方向が違うことを実感しただけかもしれなかった。

あの時あの場所であなたと
描いた思い出は
いつかなくなるのかな

数え切れない人たちとの出会いがあり、どこかある場所を離れるたびに別れを繰り返してきた。一つの場所に長くいれないような習性があるのかもしれない。それくらい色んな場所に住んできた。それぞれの場所で演劇を通じてつながって、そして離れてしまった仲間たちが世界中にいる。

そばにいたくても
いれなかったよ
どこかしらない街にいきたい
なんて...
本当は嘘なのかもしれないのさ
ここにずっといたいと
思える日がくるのかな

８年目を迎えたこの年にまた一つの転換期を迎えた。次はそれがいつ訪れるのだろう。誰かと離れる日が今度はいつくるのだろう。でも、そんなことを考えながら生きてはいけない。

そんな生き方をして、本当はどこに行きたかったの
そう思い返す日がやがてやってくる
その時にどこかにたどり着けたと
自信をもって言えるのかな